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PTFEとは?高機能樹脂バルフロン®の特性や用途、調達法など徹底解説
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耐熱性や非粘着性、電気絶縁性など、優れた特性によってさまざまな現場で不可欠とされる高性能樹脂PTFE。しかし、私たちの暮らしや産業にどれほど深く関わっているかを意識したことがある人は少ないのではないでしょうか。
本記事では、当社バルカーの高機能樹脂担当スタッフがPTFEの基礎知識から応用例、調達方法に至るまで徹底解説します。創業以来70年以上に渡って積み上げてきた確かな技術と知見をもとに、信頼性の高い情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
PTFEの基本情報と特徴
PTFEはスーパーエンプラの中でも優れた特性を持つ材料です。この章では、PTFEの歴史から基本構造や特性、そして他のスーパーエンプラとの違いについて解説します。
PTFEの発見と発展
PTFEは炭素とふっ素からなるスーパーエンプラの一種で、その正式名称は「ポリテトラフルオロエチレン(Poly Tetra Fluoro Etylene)」です。耐熱性や耐薬品性など、多彩な特性を備えたこの材質は、1938年に米国デュポン社のプランケット博士による冷媒研究の過程で偶然発見されました。
博士はテトラフルオロエチレン(TFE)ガスを圧力容器に保存していた際、ガスが重合して白い粉末が生成されていることに気付きました。この粉末がPTFEです。その後、デュポン社は1947年に「テフロン®」の商標でPTFEを市販化し、日本では1952年にバルカーが「バルフロン®」として製品化。家庭用品から先端産業まで、現在に至るまで幅広い分野で活用されています。
PTFEの化学構造と特性の源泉
PTFEの優れた特性は、その独特の化学構造によって支えられています。PTFEは炭素原子が直線状に結合した炭素鎖を、ふっ素原子が完全に覆う構造をしています。この分子構造は非常に安定しており、特性の源泉となっています。
具体的には、炭素-ふっ素結合(C-F)の結合エネルギーが非常に強いため、260℃の高温下でも分解や変性が起こりにくい耐熱性を発揮します。
また、ふっ素原子が化学反応を防ぐ働きを持つことで、強酸や強アルカリにも侵されない高い耐薬品性を示します。さらに分子表面の滑らかさにより、物質が付着しにくい非粘着性が得られます。このようにPTFEは、化学構造から生まれる特性により、工業用途でも日常用品でもその性能を発揮します。
PTFEの製造法
PTFEはその独特な化学構造と特性を実現するために、精密な化学反応とプロセス管理を経て製造されます。
原材料と化学反応
PTFEは蛍石(フルオライト)を原材料として製造します。蛍石を硫酸と反応させてフッ酸を生成し、これをクロロホルムと反応させることでモノクロルジフルオロメタンを得ます。
このモノクロルジフルオロメタンを熱分解することで、テトラフルオロエチレン(TFE)が生成されます。TFEはPTFEの基本構成要素であり、この段階の化学反応は、高い安定性を持つPTFEの特性を形作る基盤となります。
重合方法
TFEをPTFEへと変化させる重合工程には、主に2つの方法が採用されています。1つは懸濁重合で、水とTFEガスを耐圧容器内で反応させ、直径数mmの粉末を生成する方法です。この粉末はさらに微粉化され、モールディングパウダーとして使用されます。
もう1つは乳化重合で、ふっ素系界面活性剤を使用し、微細なPTFE粒子を生成します。この粒子は乾燥・凝析の工程を経てファインパウダーやディスパージョン液として利用され、用途に応じて多彩な形態で活用されています。
PTFEとその他スーパーエンプラとの違い
PTFEはスーパーエンプラの中でも、特に耐熱性・非粘着性・耐薬品性において優れています。
たとえば、連続使用温度が260℃に達するPTFEは、PPSやPEEKなど、他のスーパーエンプラでは対応できない過酷な温度環境で使用可能です。また、その滑らかな分子表面による非粘着性は、食品加工やフライパンのコーティングに最適です。
さらに、PTFEはほとんどの化学薬品に耐性を持ち、極めて過酷な化学環境でも性能を維持します。一方で、PEEKは機械的強度が高いものの、耐薬品性には限界があり、PPSはコストパフォーマンスで優れる反面、PTFEほどの非粘着性を持っていません。これにより、PTFEは特定の用途や環境において、他のスーパーエンプラを凌駕する選択肢となっています。
PTFEのメリット・デメリット
PTFEは、耐熱性や耐薬品性をはじめとする多くのメリットを持つ一方で、使用時に留意すべきデメリットも存在します。この章では、PTFEの特徴における長所と短所について具体的に解説します。
PTFEのメリット
PTFEには、以下のような長所が挙げられます。
- 260℃まで使用可能な高い耐熱性
- ほとんどの薬品に対して安定した耐薬品性
- 物質が付着しにくい非粘着性
- 滑りが良い低摩擦特性
- 広範囲の周波数で安定した電気絶縁性
- 長期間の紫外線や環境劣化に強い耐候性
- ほぼ不燃性であり、安全性が高い難燃性
- 撥水・撥油に最適な表面特性
まず、PTFEの耐熱性は非常に優れており、260℃という高温下でも安定した性能を発揮します。この特性は、製造現場の高温環境や調理器具のコーティング材として重宝されています。また、ほとんどの酸やアルカリに侵されない耐薬品性を持ち、化学薬品を扱う製造現場において欠かせない素材です。
さらに、PTFEは非粘着性も有しており、物質が表面に付着しにくいため、フライパンや食品加工設備で広く利用されています。同様に、極めて低い摩擦係数を持つため、潤滑剤なしでも滑りが良く、製造機械の回転部品などで高い効率を発揮します。
電気絶縁性の高さもPTFEの特徴のひとつであり、広い周波数や温度領域で安定しているため、電子機器の絶縁材料として使用されます。この他にも、紫外線や環境劣化に対する耐候性が高く、屋外での長期使用にも適しています。また、難燃性や低吸水性により、安全性や耐久性を求められる用途でも優れた性能を示します。
PTFEのデメリット
PTFEには、以下のような短所が挙げられます。
- 温度変化による寸法変化(線膨張が大きい)が起きる
- 内部残存応力による変形(加工後の変形)が生じやすい
- 外部応力による変形(高荷重時のクリープ)が起きる
- 静電気を帯びやすく、適切な対策が必要
まず、PTFEは温度変化による線膨張が大きい点がデメリットです。たとえば、常温で寸法通りの部品が高温環境下で膨張し、仕様が合わなくなる場合があります。具体的には、25℃でΦ30 × 1,000(mm)の丸棒は、100℃の環境下で約1,010(mm)に膨張し、0℃では約995(mm)に収縮します。特に、23℃にはガラス転移点(Tg)があり、この領域をまたぐと寸法変化が大きくなります。これを防ぐためには、製品を使用する環境に合わせた設計や試験が必要です。
また、PTFEの成形時に内部に残る応力(材料内部に残っているストレス)が、後の加工や使用時に変形の原因となることがあります。あらかじめアニール処理を行うことで、この問題を軽減できますが、加工コストが増加する可能性もあります。
さらに、外部からの高荷重により、時間とともに変形するクリープ現象が発生します。PTFEは樹脂の中では弾力性と柔軟性が高いため、使用時に著しい荷重がかかると、時間とともに変形が進みます。クリープを抑えるためには、充填材を加えたPTFE素材を使用したり、シール材であれば厚くするなどの工夫が求められます。
最後に、PTFEは静電気を帯びやすい性質を持つため、燃料や可燃性物質の近くで使用する際には注意が必要です。静電気抑制剤を混合することでこの問題を改善できますが、設計段階での考慮が不可欠です。
PTFEの成形方法
PTFEの成形方法はその特性に基づき、特殊な技術が必要です。特に、PTFEは融点以上でも溶解しない性質を持つため、通常の樹脂加工法である押出成形や射出成形が使用できません。そのため、形状や用途に応じた独自の加工法が用いられています。この章では、代表的な成形方法と具体例を解説します。
圧縮成形
圧縮成形は、PTFEを成形する際に広く採用される基本的な方法です。この方法では、モールディングパウダーを金型に充填し、常温で圧縮して成形体を作成します。その後、成形体を焼成炉で加熱し、粉末を融着させます。
この方法は棒材や管材、板材など切削用の素材を製造する際に最適です。化学プラントで使用されるPTFEライニング管やシート、各種の工業用シール材が圧縮成形で製造されています。
ラム押出成形
ラム押出成形は、長尺のロッドやパイプを連続成形する際に用いられる手法です。金型と加熱ヒーターを組み合わせ、油圧シリンダーで押し込みながらPTFEを融着させて成形します。
この方法は、防食パイプや耐薬品性の高い配管材料の製造に適しています。耐薬品性が求められる工業用配管や長尺の絶縁チューブがラム押出成形で作られています。
切削加工
PTFEの柔軟性と弾力性を活かした加工法として、切削加工が挙げられます。この方法では、成形された素材を機械で削り出し、特定の形状に加工します。
摩擦抵抗が小さいPTFEの特性により、加工は比較的容易であり、精密な部品の製造が可能です。医療分野で使用されるカテーテル部品や自動車産業向けのシール材は、切削加工で製造されています。
特殊加工(フィルム・シートなど)
フィルムやシート形状に加工する場合、成形素材をかつら剥きの要領で切削する方法が一般的です。さらに薄いフィルムが必要な場合には、加熱ロールを用いて延伸加工を施します。
一方で、チューブやテープシールといった特定の形状を製造する際には、ファインパウダーが利用されます。ファインパウダーの粒子はスポンジ状の多孔質構造を持ち、潰れやすく、せん断力を加えることで簡単に繊維化し変形しやすい性質があります。この特性を活かすために、押出助剤を添加して押出用の成形体を作成します。この成形体を押出成形により加工することで、チューブやテープシールといった形状を効率的に製造できます。
また、ディスパージョン液はPTFE含浸ガラスクロスを製造する際に広く使用されています。ディスパージョン液にガラスクロスを含浸させ、乾燥焼成を繰り返すことで、耐薬品性や耐熱性に優れた厚みのあるコーティング材を作成することが可能です。食品加工のベルトコーティングや、半導体製造装置で使用されるPTFE含浸ガラスクロスがこの方法で作られます。
PTFEを取り扱う上での注意点
PTFEは多くの優れた特性を持つ一方で、その性質から取り扱うにあたって注意が必要な点もあります。代表的な注意事項について解説するので、選定時の参考にしてください。
線膨張が大きい
PTFEは温度変化による寸法変化(線膨張)が大きいという特徴を持っています。この性質により、加工や使用時には温度の影響を考慮する必要があります。PTFEは金属に比べて大幅な寸法変化を示し、温度が高くなるほど膨張し、低くなるほど収縮します。そのため、特に高い寸法精度が求められる場合には慎重な対応が必要です。
たとえば、PTFE製の部品が高温の環境で膨張すると、設計寸法が変化し、密閉性や部品同士の接続性に影響を与えることがあります。そのため、加工の際には荒加工後に熱処理を施して内部応力を解放する手順が推奨されます。これにより、線膨張の影響を最小限に抑えることが可能です。
高温下でのガス発生に注意
PTFEは耐熱性に優れていますが、350℃以上の高温環境では分解が進み、有害なガスを発生することがあります。この分解ガスにはフッ素系化合物が含まれており、それを吸入すると「ポリマーヒューム熱」と呼ばれるインフルエンザに似た症状を引き起こすことがあります。症状は軽度で後遺症が残ることは少ないものの、健康リスクを避けるための予防が重要です。
350℃を超える環境で使用する際には、適切な換気設備を設置するか、密閉された環境での使用を避けるといった対策が求められます。また、加熱作業を伴う工程では、防毒マスクや作業エリアのガス検知器を利用することが推奨されます。
静電気による火災リスクへの注意
PTFEは静電気を帯びやすい性質があり、使用環境によっては注意が必要です。特に、可燃性物質の近くでの取り扱いには十分な配慮が求められます。PTFEは電気を通しにくいため、使用中に静電気が蓄積しやすくなります。この静電気が原因でスパークが発生すると、火災や爆発のリスクが高まる可能性があります。
たとえば、燃料タンクのライニングや化学プラントでの使用では、静電気の蓄積を防ぐために導電性を持つカーボンを添加したPTFEが使用されることがあります。また、静電気を放電するための接地装置を設置することで、安全性を向上させることが可能です。
長時間の荷重による形状変化への対策
PTFEは荷重が長時間加わると、徐々に形状が変化する「クリープ変形」を引き起こすことがあります。この特性により、設計や運用において工夫が必要です。PTFEは弾力性と柔軟性に優れていますが、これにより長時間の荷重に耐えると形状が歪む傾向があります。特に、高温環境下ではクリープの速度がさらに速まります。
たとえば、シール材やガスケットとして使用される場合、クリープ変形により密閉性が低下するリスクがあります。これを防ぐためには、充填材を混ぜたPTFEを使用するか、設計段階で厚みを増やして変形量を抑える工夫が求められます。
PTFEの主な用途と産業での活用例
PTFEはその優れた特性を活かして、産業から日常生活まで幅広く活用されています。この章では、主な用途を分野ごとに整理し、それぞれの具体例について詳しく解説します。
半導体産業
半導体産業では、PTFEは次のような用途に利用されています。
- 薬液タンクや配管の内張り
- ポンプやバルブ部品の保護
- 強酸や強アルカリを扱う工程の耐薬品素材
半導体製造の工程では、ウエハー上に微細な回路を形成するために、強酸や強アルカリといった薬液が使用されます。この工程では、薬液が接触するタンクや配管、ポンプ、バルブの内側に高い耐薬品性を持つPTFEが使用されることで、不純物の混入を防ぎ、安定した製造環境を確保しています。PTFEはこうした用途を通じて、半導体製造の高い品質基準を支える重要な材料です。
電子機器産業
電子機器産業では、PTFEは以下の用途で活用されています。
- 電線被覆やケーブルの絶縁
- 電子部品の保護材
電子機器の製造現場では、PTFEの高い電気絶縁性が求められます。広い温度や周波数範囲で安定した誘電正接を発揮するため、電線の被覆材料や電子部品の絶縁材として使用されています。さらに、過酷な環境下でも性能を維持できる特性から、高信頼性が必要な航空宇宙分野でも採用されています。これにより、PTFEは電気的安定性を要するすべての分野で欠かせない素材となっています。
医療産業
医療産業では、PTFEは以下の用途が挙げられます。
- 人工血管やカテーテル材料
- 生体適合性を求められる機器の部品
PTFEは人体に対して反応性が極めて低いため、医療分野での利用価値が高い素材です。特に、カテーテルや人工血管など、体内に使用される医療機器の材料として広く採用されています。また、薬品耐性や非粘着性といった特性が求められる医療現場においても、PTFEはその機能性と安全性の高さが評価されています。
自動車産業
自動車産業では、PTFEは次の用途で活用されています。
- ガスケット、シール、ホースの素材
- エンジンや排気系部品の耐久性向上
PTFEは、耐久性や耐熱性、安全性が求められる自動車部品にも幅広く採用されています。エンジン周辺の高温環境にさらされる部品や、摩耗が発生しやすいガスケットやシール材などで高性能を発揮しています。また、新エネルギー車の開発に伴い、高電圧部品の絶縁材料としても注目されており、次世代の自動車製造においても重要な役割を果たしています。
その他生活環境を支える役割
産業用途にとどまらず、次のような生活環境の分野でもPTFEは活躍しています。
- テント膜や建材
- 衣料品
- グリーンハウス
東京ドームのような大型テント膜では、耐候性が活かされ、長期間使用しても劣化しにくいという特徴が評価されています。また、住宅建材や衣料品では、防汚性や撥水性が役立ち、日常生活をより快適にするための素材として採用されています。さらに、グリーンハウスでは光透過性を活かしたフィルム素材として使用され、農業分野でもその特性が広く活用されています。
PTFE(バルフロン®)の種類および商品ラインナップ
PTFEには、用途や性能の要件に応じてさまざまなグレードや充てん材タイプが用意されています。また、バルカーではこれらの特性を活かした幅広い商品ラインナップを展開しており、多くの産業で活用されています。この章では、PTFEの主要なグレードと当社の提供するバルフロン®の商品ラインナップおよび制作事例についてご紹介します。
より詳細な商品ラインナップをご希望の方はバルカー製品情報をご確認ください。
PTFE(バルフロン®)の主要なグレードと特徴
PTFEはその優れた特性をさらに引き出すために、標準タイプから充填材を加えた特殊グレードまで、さまざまなタイプが展開されています。それぞれの特徴と用途について詳しく解説します。
標準および変性グレード
標準および変性グレードは、PTFE本来の特性を活かした汎用性の高いタイプです。耐熱性や耐薬品性、非粘着性のバランスに優れ、さまざまな用途で使用されています。
- 特徴:優れた耐熱性(260℃までの連続使用温度)、高い耐薬品性、滑らかな非粘着表面
- カラー:白色
- 用途例:化学プラントのシール材、食品加工機器の部品、絶縁材料など
各種充てん材グレード
グラスファイバーやグラファイト、ブロンズ、カーボン、炭素繊維などの充てん材を配合したグレードは、特定の物性を強化しています。これにより、より過酷な環境での使用が可能となり、幅広い産業で活躍しています。
- 特徴:耐摩耗性や機械的強度の向上、静電気の抑制
- カラー:白色または充てん材の色に応じた色合い
- 用途例:半導体製造装置の摺動部品、高負荷の機械部品、電気絶縁用部材など
当社ラインナップおよび制作事例の紹介
当社バルカーは1951年に、米国よりPTFE原料パウダーを10kg輸入。1952年にふっ素樹脂加工技術研究を終えて、PTFEを「バルフロン®」として製品化し、販売したことからはじまりました。
バルフロン®の豊富なラインナップを通じて、多様なニーズに対応する製品を提供しています。以下に代表的な製品群を紹介します。
- バルフロン®シート
- バルフロン®スリーブ
- バルフロン®ロッド
- バルフロン®切削テープ
- バルフロン®両面処理テープ
- バルフロン®片面処理テープ
- バルフロン®粘着テープ
- バルフロン®強化テープ
- バルフロン®ガラスクロス
- バルフロン®未焼成テープ
- バルフロン®ベンダロンチューブ
バルカーのバルフロン®シリーズは、PTFEの特性を最大限に活かし、多様な産業や用途に対応する幅広い製品ラインナップを展開しています。標準グレードから充填材を加えた特殊グレードまで、用途に応じた最適な製品選びをサポートします。
高品質なバルフロン®製品は、バルカーの技術力とともに、産業界のさまざまなニーズに応え続けています。
PTFEの市場動向と最新トレンド
PTFEは、先端技術や社会的ニーズの変化に応じて、用途や市場が急速に広がりを見せています。この章では、PTFEにおける最新の市場動向や今後の展開について詳しく解説します。
半導体業界で拡大する需要
半導体製造におけるPTFEの需要は、今後も順調な拡大が見込まれています。特に、薬液管理や耐薬品性が求められる分野で、PTFEは欠かせない存在です。5G通信やAI(人工知能)、自動運転技術などの進展により、さらなる成長が予測されています。この分野では、高純度の薬液を取り扱うため、耐薬品性と非粘着性を兼ね備えたPTFEが必須材料となります。
市場レポートによると、2024年には世界半導体売上高が前年比18.8%増の6298億ドル、2025年には13.8%増の7167億ドルに達する見込みです。これに伴い、半導体製造装置や薬液配管でのPTFE使用がさらに広がると考えられます。需要の拡大により、PTFEは半導体産業を支える重要な材料として、引き続き高い需要を誇るでしょう。
自動車分野での新たな役割
自動運転技術の進展により、自動車分野でのPTFEの活用が加速しています。特に、ミリ波レーダや高電圧系統での使用が注目されています。自動運転を支えるミリ波レーダは、電装ロスを極限まで抑える必要があります。そのため、絶縁性が高く、耐熱性に優れたPTFEが使用されることが一般的です。
また、電気自動車(EV)では高電圧部品の絶縁材としての役割が期待されています。既存の先進運転支援システム(ADAS)や、アクティブクルーズコントロールに活用されているPTFEは、次世代自動運転車両での活躍がさらに拡大すると予測されます。今後、PTFEは自動車の進化に欠かせない素材として、モビリティの未来を支える存在です。
DXが変えるPTFE調達の未来
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、PTFE製品の調達が効率化されています。従来の方法に比べて、スピーディで柔軟な調達が可能になりました。従来の調達プロセスでは、サプライヤーの選定、工場視察、サンプル作成、加工方法の相談など、多くの手間と時間が必要でした。しかし、DXの導入により、これらのプロセスがオンラインで完結できるようになりました。
当社バルカーが展開するデジタル調達サービスQuick Value™では、図面をアップロードするだけで迅速な見積もりを取得でき、2時間以内のレスポンスを提供。これにより、設計から調達までの時間が大幅に短縮されます。DXの進展により、PTFE製品の調達プロセスに革命をもたらし、顧客にとって大きな価値を提供しています。
PTFEの調達ならQuick Value™
Quick Value™は当社バルカーが提供するPTFEやエンプラ製品の調達を効率化するデジタルサービスです。WEB上で簡単に見積り依頼から製品の発注まで完了することができ、短時間で高品質な調達を実現します。
図面をアップロードするだけで、原則2時間以内にお見積りをご提示します。また、バルフロン®をはじめとするPTFE製品の豊富なラインナップに対応しており、切削加工品や特殊加工品についても幅広いオプションを提供しています。
PTFEの切削加工品ならQuick Value™
Quick Value™では、切削加工や特殊形状加工のニーズが高いPTFE製品をスピーディーに提供可能です。加工先を探す手間を削減し、迅速な見積りと納期の確認をサポートします。設計者や調達担当者にとって、効率的で信頼できる調達ソリューションとして広く利用されています。
エンジニアリングプラスチック(エンプラ)とは?特性や種類・用途をわかりやすく解説
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プラスチックは一般的に割れやすく、高熱で変形する性質があります。しかし1930年代以降、これらの課題を克服した強度や耐熱性に優れた「エンジニアリングプラスチック(エンプラ)」が開発されました。
エンプラは金属やガラスの代替材料として、日用品から産業機械に至るまで幅広い分野で活躍しています。本記事では、エンプラの基本的な特性や種類、具体的な用途、調達時のポイントをバルカーの高機能樹脂担当スタッフがわかりやすく解説します。
目次
エンジニアリングプラスチックの基本概要
エンプラは一般的なプラスチック(汎用樹脂)より高い強度や耐熱性を持つ高性能樹脂です。この章では、汎用樹脂との違いやエンプラの誕生背景、さらに進化したスーパーエンプラについて解説します。
汎用樹脂(プラスチック)との違い
私たちの日常生活で目にするプラスチック製品の多くは、PVC(ポリ塩化ビニル)やPE(ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)などの汎用樹脂で作られています。汎用樹脂は全合成樹脂の約70%を占め、耐熱温度は100℃未満であり、軽量で加工が容易なため主に日用品に利用されます。
その一方で、エンプラは耐熱温度が100℃以上あり、強度や耐摩耗性にも優れているため、自動車や機械部品といった産業用途に適しています。この特性の違いが、エンプラを「工業用高性能プラスチック」と位置づける理由です。
エンジニアリングプラスチックの定義と特徴
エンプラの特性を正しく理解するためには、プラスチック全般の分類や構造についての基礎知識が必要です。この章ではプラスチックの分類に基づき、エンプラが持つ特性や誕生の背景を順を追って解説します。
熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂
プラスチックは熱を加えた際の反応により「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」に大きく分類されます。
熱硬化性樹脂は熱を加えると硬化し、再加熱しても形状が変わらないプラスチックであり、電子基板や接着剤などに使用されます。一方で、熱可塑性樹脂は熱を加えると溶け、冷却すると固まる性質を持つプラスチックであり、再成形が可能なため、リサイクル性に優れています。前者はビスケット、後者はチョコレートに例えるとイメージしやすいでしょう。
エンプラは熱可塑性樹脂に該当し、成形加工の自由度や再利用の可能性がある点で高い価値を持っています。
結晶性樹脂と非晶性樹脂について
プラスチックは、炭素原子が鎖状に連なった「鎖状高分子」という化学構造を持っています。この構造により、分子鎖はある程度柔軟に動くことができますが、常温では分子同士が絡み合い、単独で動くことはほとんどありません。一方で、高温になると分子が活発に動き出し、分子間の規則性が失われるため、プラスチックは溶けてしまいます。
冷却時、分子鎖が規則的に並ぶと「結晶」が形成され、このような特性を持つプラスチックを「結晶性樹脂」と呼びます。一方で結晶を形成せず、分子が不規則に配置されるものは「非晶性樹脂」に分類されます。
- 結晶性樹脂:分子間力が強く、耐摩耗性や機械的強度に優れていますが、透明性が低い
- エンプラ:PA(ポリアミド) , POM(ポリアセタール) , PBT(ポリブチレンテレフタレート)
- スーパーエンプラ:PPS(ポリフェニレンサルファイド) , フッ素樹脂(PTFE , PFA , FEP , E / TFE , PVDF等) , PEEK(ポリエーテルエーテルケトン) , LCP(液晶ポリマー)
- 非晶性樹脂:透明性が高く、塗装や接着がしやすい性質を持ち、成型時の収縮も少ないため、精密な加工に適している
- エンプラ:PC(ポリカーボネート) , mPPE(変性ポリフェニレンエーテル)
- スーパーエンプラ:PSF(ポリサルホン) , PES(ポリエーテルサルホン) , PAR(ポリアリレート) , PAI(ポリアミドイミド) , PEI(ポリエーテルイミド)
このように、結晶性樹脂と非晶性樹脂は分子構造の違いによって異なる特性を持つため、エンプラでも用途に応じて使い分けられています。
エンジニアリングプラスチックが生まれた経緯と背景
エンプラの歴史は、1930年代に米国デュポン社が繊維素材としてPA(ポリアミド)の製造を開始したことから始まります。第二次世界大戦中、金属不足の解決策としてエンプラが開発され、戦後にはその利便性が一般産業にも広がりました。現在では、金属代替材料として多くの分野で欠かせない存在となっています。
汎用エンプラとスーパーエンプラの性能・用途の違い
エンプラはその誕生以来、金属代替材料としての需要が高まり続けています。特に耐熱性や難燃性へのさらなる要求を受けて、1947年には米国デュポン社がスーパーエンプラと呼ばれるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を開発・販売しました。
スーパーエンプラは高分子材料や補強繊維と複合化されたことで、従来のエンプラを超える性能を実現しています。特に150℃以上の高温環境での連続使用にも耐えるほか、卓越した強度や耐薬品性を備えています。このため、厳しい条件が求められる産業分野や特殊用途で広く採用されています。
エンジニアリングプラスチックの主な種類と特性
エンプラには多くの種類があります。ここでは特によく使われている代表的な種類を紹介します。
材質名 | 軽量性 | 吸水性 | 耐熱性 | 低温物性 | 強靭性 | 耐クリープ性 | 耐溶剤性 | 耐候性 | 難燃性 | 電気特性 | 耐摩擦・摩耗性 | コスト | 主な用途例 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スーパーエンプラ | PTFE | △ | ◎ | ◎(~260°C) | ◎ | △ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | 化学プラントのガスケット・パッキン、高電圧ケーブル被覆材、軸受け |
PBI | ○ | △ | ◎(~400°C) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | 高温バルブシートやOリング、自動車エンジン部品、高温プラズマ環境で使用される絶縁材料 | |
PEEK | △ | ◎ | ◎(~343°C) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | 航空宇宙部品(シール材、ベアリング)、医療機器(手術用器具)、半導体製造装置、自動車エンジン部品 | |
PI | △ | △ | ◎(~300°C) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | 航空宇宙産業の断熱材、高温電子基板材料、半導体製造装置の絶縁部品 | |
PPS | △ | ○ | ◎(~260°C) | △ | △ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 自動車エンジン部品(燃料ポンプ)、半導体製造装置部品、化学プラントのバルブやポンプ部品 | |
PFA | △ | ◎ | ◎(~260°C) | ◎ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | × | 半導体製造プロセス用配管・バルブ、医療用カテーテルや人工血管、高温化学薬品搬送管 | |
PCTFE | △ | ◎ | ○(~150°C) | ◎ | △ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | △ | × | 航空宇宙産業の燃料システムシール材、半導体製造装置のインシュレータ、医薬品包装材 | |
PEI | △ | △ | ◎(~217°C) | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | × | 医療機器(滅菌トレイ)、航空宇宙機器(配線ハウジング)、電子機器基板、自動車ランプリフレクター | |
PSU | △ | △ | ◎(~190°C) | ○ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | 医療用生体膜代替品(人工腎臓)、食品容器、自動車ランプハウジング、電子機器コネクタ | |
PVDF | △ | ◎ | ○(~150°C) | ◎ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ケーブル被覆材、防水膜や外壁パネル、高温化学薬品配管、水処理フィルター | |
汎用エンプラ | PA66 | ○ | × | ○(~150°C) | ○ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | △ | ○ | ○ | 工業用ファスナー、配線コネクタ、自動車部品(ホース、ギア)、電気絶縁部品、繊維(衣料品やカーペット) |
PC | ○ | ◎ | ○(~130°C) | ◎ | ◎ | ◎ | × | ○ | ◎ | ◎ | △ | ○ | 防弾ガラス、ヘルメットバイザー、自動車ヘッドライトカバー、電子機器ケース(スマートフォンやノートPC)、光学ディスク | |
MCナイロン | ○ | × | △(~120°C) | ○ | ○ | △ | ◎ | × | × | △ | ◎ | ○ | 軸受け、歯車、ライナー、自動車部品(ホイールやシーブ)、工業用パイプ | |
POM | △ | ○ | △(~110°C) | ○ | ○ | ◎ | ◎ | × | × | ○ | ○ | ○ | 歯車、ベアリング、スナップフィット部品、自動車部品(窓レギュレーター)、精密機械部品(時計ギア) | |
PA6 | ○ | × | △(~120°C) | ○ | ◎ | △ | ◎ | △ | ○ | △ | ○ | ◎ | 歯車、ベアリング、ロープ、フィルム、食品包装材、自動車部品(エンジンカバー、燃料タンク) | |
UHMWPE | ◎ | ○ | △(~80°C) | ◎ | ○ | △ | ◎ | △ | × | ◎ | ◎ | ○ | スライダーやライナー、高耐久性ベルトコンベア、自動車燃料タンクライナー、防弾チョッキ | |
ABS | ◎ | △ | △(~100°C) | ○ | ○ | △ | △ | × | ○ | ○ | △ | ◎ | 家電製品(テレビ筐体、冷蔵庫部品)、自動車内装部品、玩具(レゴブロック)、工業用カバー、パイプ継手 |
エンジニアリングプラスチックの主な用途
エンプラは、私たちの暮らしや社会のあらゆる場面で利用されています。以下に具体的な使用例を分野別に紹介します。
自動車産業におけるエンプラの用途
エンプラは自動車の多くの部品に欠かせない素材です。たとえば、レーダーのカバーなどの光学系部品には透明性と耐衝撃性に優れたPC(ポリカーボネート)、ワイパーなどの摺動部品には耐摩耗性が高いPOM(ポリアセタール)が使用されています。
さらにスイッチやコネクターなどの電装系部品には絶縁性が高いPET(ポリエチレンテレフタレート)、燃料系統には耐熱性と耐薬品性を兼ね備えたPPS(ポリフェニレンサルファイド)が採用されています。
航空機産業におけるエンプラの用途
航空機では、従来金属が使われていた部品にエンプラが活用されています。たとえば、内装パネルやボルトには軽量かつ高強度のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が使用されています。これにより、機体の軽量化が進み、燃費の向上に大きく貢献しています。
電子・電気機器分野におけるエンプラの用途
最近では、エンプラは電子機器や電気機器の精密部品にも幅広く使用されています。半導体の製造現場では、ウェハにパターン回路を形成する工程で薬液(強酸や強アルカリ)に触れる機会が多くあります。
この際、薬液に微量でも不純物が混入するとウェハ上の微細な回路パターン形成の障害となり、不良品が発生します。薬液の不純物混入を防ぐために、タンクや配管、バルブの内側に耐薬品性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が内張りされています。
医療分野におけるエンプラの用途
医療分野でもエンプラは重要な役割を果たしています。たとえば、カテーテルやポンプなどのオートクレープ(高圧蒸気滅菌器)を通す器具には、耐熱性・耐薬品性に優れたPEI(ポリエーテルイミド)、人工関節には化学的に安定していて機械的に強靭なPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が使用されています。
また哺乳瓶には、ガラスの代替として透明でありながら耐久性にも優れたPSU(ポリスルホン)が採用されています。
家電製品におけるエンプラの用途
家電分野でもエンプラの特性は重宝されています。電気系統のスイッチやコネクターには、ほぼ必ずエンプラが使用されており、耐熱性や電気特性に優れたSPS(シンジオタクチックポリスチレン)は電子レンジや炊飯器の重要な部品に用いられています。
食品関連・日用品分野におけるエンプラの用途
食品や日用品にも、エンプラの機能性が活かされています。割れにくく食器乾燥機の熱にも強い特性から、食器や調理器具の素材として使われています。
またPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、優れた耐熱性と非粘着性によって、炊飯器の内釜やフライパンのコーティングに用いられており、耐久性の高さとさまざまな食材や汚れの付きにくさを提供します。
工業分野におけるエンプラの用途
エンプラは工業用部品としても多くの用途に使われています。ギアやベアリング、ベルトコンベアなどの摺動部品には、別名ナイロンとも呼ばれる耐摩耗性に優れたPA(ポリアミド)が採用されています。
またベルトコンベアやシール材には、柔軟性と耐摩耗性を兼ね備えたPU(ポリウレタン)、耐薬品性と耐熱性が必要な化学プラント部品にはPSU(ポリスルフォン)が使用されています。それぞれの特性に応じた最適な用途によって、工業用部品の性能向上や機械の効率向上、長寿命化に寄与しています。
エンジニアリングプラスチックの加工方法
エンプラは、その優れた特性を生かすために多様な加工方法が用いられています。この章では、代表的な加工技術について解説します。
射出成形
インジェクション成形とも呼ばれる加工方法で、金型に溶かしたプラスチックを射出して冷却・固化させます。同じ形状の製品を大量に生産するのに適しており、自動車部品や電子機器の外装部品など幅広い製品で活用されています。
射出成形では、製品の形状や素材によってゲート設計や冷却速度の調整が重要であり、最終製品の品質に大きく影響します。
押出成形
押出成形は、ところてんのように、金型の押し出し口から溶かしたプラスチックを押し出して成形する方法です。断面形状が一定の製品を大量に作るのに適しています。
パイプやチューブ、フィルムの製造で広く用いられ、多層構造を持つ製品を製造することも可能です。押出速度や冷却のバランスが製品の精度を左右するため、細やかな調整が求められます。
切削加工
切削加工では、板材や棒材に圧縮成形した素材を機械で削り出し、目的の形状に仕上げます。射出成形では対応が難しい複雑な形状の部品や、少量生産の試作品に最適です。
近年では、コンピュータ数値制御技術を使用したCNC加工(Computer Numerical Control Machining)が主流となっており、複雑な三次元形状も効率的に高精度で加工できます。また、歪みやバリが出にくい点も大きな特徴です。
ブロー成形
ブロー成形は溶かしたプラスチックを型に入れ、空気を吹き込んで膨らませる加工方法です。中身が空洞の軽量製品に適しており、ペットボトルや化粧品の容器、燃料タンクなどの製造に活用されています。
真空成形
真空成形ではプレート状のプラスチック素材を加熱し、凹凸のある型に密着させて成形します。薄くて軽量な製品に適しており、卵のパックやバスタブ、家電製品の外装などが代表例です。
エンジニアリングプラスチックのメリット・デメリット
エンプラは金属や汎用プラスチックでは実現できなかった特性を備えており、多くのメリットを提供します。しかし、用途や環境によっては注意が必要なデメリットも存在します。この章では、エンプラの特性をメリットとデメリットに分けて解説します。
エンジニアリングプラスチックのメリット
エンプラの主なメリットを以下に挙げ、それぞれの特徴を詳しく説明します。
軽量で取り扱いやすい
エンプラは金属に比べて軽量で、同じ体積でも重量を大幅に削減できます。これにより、作業負担の軽減や輸送コストの削減が可能です。さらに自動車や航空機では、軽量化による燃費向上にも寄与します。
大量生産とコスト削減が可能
射出成形などの加工技術を用いることで、大量生産が容易になります。金属に比べて原材料費が安価であり、製造プロセスの効率化を実現できます。
種類が豊富で用途に応じた選択肢がある
耐熱性だけでなく耐薬品性や絶縁性など、エンプラは用途に応じた多様な特性を持つ材質があります。これにより産業機械や自動車、電子機器など、幅広い分野での利用が可能です。
摩擦を抑え、潤滑性に優れる
摩擦係数が極めて小さいため、潤滑油を使用しなくてもスムーズな回転運動・直線運動を実現します。また機械部品の摩耗を軽減し、長寿命化にも寄与します。
着色や透明な仕上がりが可能
エンプラは自由な着色が可能で、塗装が不要になる場合も多く、製造工程を短縮できます。また透明性を持つエンプラもあり、用途に応じたデザイン性を提供します。
複雑な形状や特殊な機能性を実現できる
金属では、複数の部品を繋げなければ複雑な形状を成形することは難しい一方で、エンプラであれば切削加工や射出成形を駆使することで、複雑な形状を一体成形で作ることが可能です。
また、グラスファイバーやカーボンを混ぜた充てん材入りであれば、強度や耐久性を向上させた高機能エンプラも製造できます。
エンジニアリングプラスチックのデメリット
一方で、エンプラにはいくつか課題も存在します。特定の用途では慎重な検討が必要です。
強度や耐熱性が金属に劣る
エンプラは金属の代替材料として優れていますが、強度や耐熱性、耐火性に関しては金属には及びません。高負荷や高温が予想される環境では、金属製品が適する場合があります。
燃焼時に有害物質が発生する場合がある
一部のエンプラは燃焼時に有害物質を発生させることがあります。環境や人体への影響に配慮した安全なエンプラの開発も進んでいますが、廃棄時には適切な処理が求められます。
高荷重による変形のリスクがある
エンプラは長期間の荷重や高負荷によって変形が生じる可能性があります。調達の前に、使用する環境や荷重条件を事前に考慮することが重要です。
紫外線や薬品による劣化のリスクがある
紫外線や油脂、水などにさらされることで劣化が進む場合があります。これにより寸法変化が生じる可能性があるため、定期的な保守や予防措置が必要です。
接着が難しい場合がある
一部のエンプラは接着性が低い特性を持っています。エンプラ同士、あるいは他の素材とは接着しにくいなどさまざまです。専用の接着剤の使用や切削加工による一体成形など、代替手段を検討する必要があります。
エンジニアリングプラスチック調達時の選定ポイント
エンプラを調達する際には、用途や条件に応じた適切な選定が必要です。以下のポイントを基準に判断することで、効率的で効果的な調達が可能になります。
部品や製品の要件を明確化する
エンプラには多種多様な種類があり、用途や環境に応じて最適な選択を行う必要があります。またエンプラの特性を理解し、不適切な使用を避けることが重要です。以下の要件を事前に整理することで、選定の精度が向上します。
- 使用温度:耐熱性の適合を確認
- 荷重:必要な機械的強度を満たすか検討
- 部品に接触する流体:気体や液体、薬品による変形を考慮
- 電気特性:絶縁性や導電性の有無を確認
これらの条件に合ったエンプラを選ぶことで、製品の性能を最大限に引き出せます。
コストと費用対効果を検討する
エンプラは汎用樹脂に比べて高価ですが、その性能は投資に見合う価値を提供します。ただし、サプライヤーごとに品質や価格が異なるため、計画的なコスト管理が重要です。
具体的には、以下の視点で検討してください。
- 品質(Quality):安定した性能が得られるか
- コスト(Cost):予算内で効率的に調達可能か
- 納期(Delivery):供給がスムーズに行われるか
- 安全性:燃焼時の有害物質や環境影響を配慮
QCDと安全性を総合的に評価し、調達が経済的かつ実用的であるかを確認することが重要です。
信頼できるサプライヤーを選ぶ
適切なサプライヤーの選定は調達の成功に直結します。品質保証が確立され、供給の安定が見込めるサプライヤーを選ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。
信頼性の高いサプライヤーを選定する際のポイントは以下の通りです。
- 経験豊富で知見があるか
- 使用環境や目的に応じた適切なアドバイスを提供できるか
- 納期の管理やトラブル対応が迅速か
信頼できるパートナーを選ぶことで、調達業務がスムーズになり、製品品質も向上します。
エンジニアリングプラスチックの取り扱い上の注意点
エンプラは優れた特性を持つ一方で、使用環境や条件によってはトラブルが生じることがあります。以下に、加工・保管・使用時に実際に報告された事例とその原因について説明します。
これらは非常に稀なケースですが、事前に理解しておくことで対策が可能です。使用環境を正確に把握し、適切なエンプラの選定や保管・管理を徹底することが重要です。製品設計や製造段階で事前にリスクを洗い出し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるとより安心です。
高湿環境による寸法変化
高湿な環境に長期間さらされると、エンプラが吸湿し、寸法が変化する場合があります。特にポリアミド系樹脂(ナイロン)は吸水性が高いため、設置場所の湿度管理が重要です。
高温環境による線膨張
高温条件での使用時に線膨張が発生し、部品同士のクリアランスが変化することがあります。耐熱性を持つエンプラを選定し、適切な設計を行う必要があります。
薄肉部品での反り発生
薄いエンプラを使用した際に、成形や使用環境の影響で反りが生じる場合があります。材料の選択や成形プロセスの最適化が対策として有効です。
紫外線による劣化
紫外線に長期間さらされると、エンプラが劣化し、表面が欠けたりひび割れが生じることがあります。屋外での使用には、UVカット加工を施したエンプラを選ぶのが推奨されます。
薬品接触による劣化
耐薬品性のないエンプラを薬液にさらすと、化学的な反応で劣化が進む場合があります。薬品と接触する部品には、耐薬品性を備えたエンプラを選定することが重要です。
荷重による変形(クリープ現象)
長期間荷重がかかると、エンプラが徐々に変形する「クリープ現象」が発生します。設計段階で荷重分散を考慮するか、高強度のエンプラを選ぶことでリスクを低減できます。
静電気による火花発生と引火
エンプラは静電気を帯びやすく、火花が散ることで引火事故の原因となる場合があります。特に燃料が近い環境では、帯電防止対策を講じることが必須です。
エンジニアリングプラスチックの最新動向と市場展望
エンプラは産業用途を中心に世界中で需要が拡大しています。この章では、エンプラ市場の成長予測や新たな技術開発、環境への配慮について解説します。
市場規模と成長予測
エンプラ市場は国内外での産業発展に伴い、今後も成長が見込まれています。特に自動車の軽量化や電装化、半導体製造の需要増加が市場を牽引しています。
富士経済の調査によると、エンプラとスーパーエンプラの世界市場は2027年に1,237万トンに達する見通しです。これは2021年と比較して15.7%の増加を示しており、エンプラが引き続き重要な役割を果たしていくことを裏付けています。
環境対応型エンプラの開発
従来のエンプラは主に石油資源を原料としていますが、環境負荷軽減の観点から、代替原料の使用が進んでいます。代表例として、バイオマス由来のエンプラが挙げられます。これにより、二酸化炭素排出量の削減や資源の循環利用が期待されています。
環境省は2019年に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、プラスチック製品をバイオマスプラスチックへ置き換える取り組みを推進しています。目標として、2030年までに最大200万トンのバイオマスプラスチック導入を掲げています。
環境への配慮とリサイクル技術の進展
エンプラの需要が増える一方で、廃棄される量も増加しています。環境への配慮として、樹脂のリサイクルに対する考えも活発化しており、以下の3つの方法が広く活用されています。
マテリアルリサイクル
材料リサイクルとも呼ばれるリサイクル法で、エンプラを破砕・溶解し、同じ用途の原料として再利用する方法です。比較的単純なプロセスで実施でき、循環型社会の実現に貢献します。
ケミカルリサイクル
化学分解によってエンプラを原料の状態に戻し、新たな製品に再利用する方法です。この技術は特に、複雑な形状や混合素材を含む製品に有効です。
サーマルリサイクル
エンプラを燃料として焼却し、熱エネルギーや発電に利用する方法です。エンプラのリサイクルが難しい場合に適用され、エネルギー回収の手段として有効です。
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高精度なPTFE(テフロン)切削加工のポイントと加工事例|Quick Value™
最終更新日
優れた耐熱性・耐薬品性・非粘着性など、さまざまな性質によってますます評価が高まっているPTFE。しかし、「どのような素材か?」「どのような加工方法で作られるか?」「調達するうえで注意すべきことは?」といった疑問を持たれている方が少なくありません。
そこで今回は、PTFEを知るファーストステップとして、バルカーの高機能樹脂担当スタッフが特性や活用方法をわかりやすく解説します。
ふっ素樹脂とは?PTFEとは?
ふっ素樹脂はアメリカの総合化学会社、デュポン社のプランケット博士が1938年に発見した素材です。多くの樹脂が石油から作られていますが、ふっ素樹脂は主に中国やロシア、インドなどで採られる蛍石(ほたるいし)を原料としています。この鉱石を硫酸で精製してふっ素ガスを取り出し、パウダーにすることで、さまざまな製品に加工することができます。
しかし、質の高い蛍石が容易に入手できないことや精製できるプラントが限られているため、日本国内の流通量は樹脂全体の3%と低く、価格も他の樹脂に比べてやや高めです。
樹脂は通常、アルコールや酸に弱く、溶解してしまう可能性がありますが、ふっ素樹脂はほとんどの薬液にふれても変化しません。また、耐熱性、絶縁性、非粘着性、低摩擦性、耐候性にも優れています。そのため、薬品を扱っていたり、高温であったり、滑り性を求められるような製造環境や製品によく使用されています。
PTFEならではの特性と用途例
ふっ素樹脂とはふっ素原子を含む合成樹脂の総称です。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、そのひとつ。ふっ素樹脂の代表的な素材で全需要の約60%を占めていて、切削加工品の最もポピュラーな材料です。
PTFEは「テフロン」とも呼ばれていますが、これはデュポン社の商標(現在、この商標はケマーズ社に移管)。バルカーでは「バルフロン®」という名称でPTFE を製造・販売しています。PTFEは以下のような特性を備え、その特性ゆえに他の素材では困難な状況でも活用されています。
耐薬品性(用途例:半導体製造工場)
どのような薬品にも反応しない化学的特性を備えているため、近年、特に半導体製造現場の需要が飛躍的に伸びています。半導体の製造において、ウェハ上にパターン回路をつくる工程は化学処理(洗浄処理など)で行われ、目的に応じて強酸や強アルカリ、溶剤といった多数の薬液を使用します。薬液に微量でも不純物が混入するとウェハ上の微細な回路パターン形成の障害となり、不良品が発生します。
このようなトラブルを避けるために、薬液を貯蔵するタンクや配管、ポンプやバルブの内側や薬液が接触する部分などにPTFEが内張りライニングされています。
耐熱性(用途例:食品工場)
連続使用で260度、一時的であれば300度の熱にふれても分解しません。これほどの耐熱性がある樹脂はPTFEだけです。そのため、パンを焼く工程のベルトコンベアーなどの高温の環境で活用されています。
非粘着性(用途例:フライパン、炊飯器の釜のコーティング)
粘着物がつきにくい性質があります。この特性と耐熱性から、フライパンや炊飯器の釜のコーティングなどに活用されています。高温で調理しても破損せず、お米や具材がこびりつくこともありません。
低摩擦性(用途例:機械の回転軸部分)
PTFEは樹脂の中で最も摩擦係数が低く、潤滑性が高い素材です。その特性を利用してモーターなどで回転する軸部分に使われています。一般的に、このような機能はベアリングが担いますが、「複雑な構造にしたくない」「潤滑のためのオイルを使用したくない」といったニーズにPTFEは応えます。
電気的特性(用途例:レーダーの基盤材料、絶縁材料)
誘電率が高く、送電ロスがほとんどないため、ミリ波レーダーの基盤材料などに使われています。一方で絶縁材料としても優れ、高電圧の電気を遮断することができるので、充電設備や発電所でも活用されています。
耐光性(用途例:屋外のプラントのシール材)
紫外線の影響をほとんど受けないため、何十年太陽光を浴び続けても劣化しません。そのため、屋外の貯蔵タンクの液漏れ防止用のシール材などに活用されています。
PTFEの主な加工方法
一般的に、樹脂を同じ形状に大量に加工する際は、金型を作り、樹脂を溶かして流し込み、冷却して固めて取り出すという射出成形(インジェクション成形)という方法が採用されます。
しかし、PTFEは溶融粘度が高く、他の樹脂のように加熱しても液体化しないため、この方法は適していません。原料のパウダーをブロックや丸棒形状に圧縮成形して焼き固め、これらを機械で削り出す切削加工という方法で目的の形状にしていきます。この切削加工には、大きくわけて2種類の方法があります。
マシニング加工
素材が固定され、工具(刃物)が回転して素材を削っていく方法で、主にブロックや板物形状に適しています。縦に動くZ方向、横に動くX方向、奥行きに動くY方向の3軸に動かすことができ、必要な工具が自動で交換されます。
フライスや中ぐり、穴あけといった切削を事前にプログラムで設定し、図面どおりの形状にしていきます。3軸にテーブルの回転の2軸を加えた5軸加工機もあります。3軸では難しい湾曲を描くような複雑な形状を切削でき、人手で位置を変える必要がないので生産効率も上がるという点で注目されています。
旋盤加工
陶芸のろくろのように、素材が回転して工具(刃物)を当てることで削っていく方法で、主に円や筒形状の加工に適しています。通常、コンピュータで数字を制御できる装置を備えているNumerical Control(数値制御)旋盤という機械を使用します。
このNC旋盤にマシニング加工のような回転工具を備えつけ、フライスや穴あけができるようにしたものを複合旋盤といいます。複合旋盤であれば、5軸加工機のような作業効率と品質の向上が図れます。
お客様の課題やお悩み
バルカーはPTFEを中心に、約70年間ふっ素樹脂加工品を供給してきました。その間、お客様のさまざまな課題やお悩み、ニーズと向き合ってきました。現在は以下のような声を聞くことが多くなっています。
依頼先を決めるまでの負担が大きい
新しくPTFEの加工を依頼する、あるいは現在の調達状況に難があるために新しいサプライヤーを探さなくてはならなくなったとき、品質の監査のために工場の加工現場を視察したり、サンプルを作って出来栄えを見る、といったプロセスが必要な場合がある。そのための時間や労力の負担が大きい。
見積りを取るまでの負担が大きい
サプライヤーを選定した後、見積りを取るために図面を送ったり、工場や担当者と連絡を取る必要がある。そのための時間や労力の負担が大きい。さらに相見積りを取る場合、その負担はサプライヤーの数に比例して増える。
半導体市場に占有されて調達が難しい
現在、半導体市場が活況を呈していて、自然と調達量の多いメーカーに、より多くのPTFEを占有される場合がある。そうなると必要な量や使用頻度がそれほど高くないユーザーが容易に入手できなくなる状況になりやすい。
このような課題やお悩み、ニーズを解決するためにQuick Value™があります!
調達・注文・使用の際の注意点
高性能で用途も広いPTFEですが、扱うにあたっていくつかの注意点もあります。ここではそのなかで特に注目していただきたいポイントを挙げます。
線膨張〜使用時の温度にあわせた設計
PTFEは線膨張(温度が変化することによって物質の大きさが変化すること)が大きい樹脂です。低温時に収縮し、高温時に膨張します。23℃あたりに体積が変わる転移点があり、ここを上下することで1〜2%増減します。そのため、お客様が使用される環境温度が低いと加工品が「装置に合わない」、高いと「装置に入らない」といった不具合が生じる可能性があります。
バルカーは検査時の温度を25℃±2℃で規定しています。PTFEを使用される環境は同様の温度に設定いただくことをお願いしています。「どのくらいの温度で、どれほど変化するか」は、線膨張係数というデータをQuick Value™のホームページに掲載しておりますので、設計の際はぜひ参考にしてください。
摺動状態の摩耗に注意
PTFEは摩耗しやすい材料で他のパーツとのこすれが生じたり、常に摺動している環境で使用しているとPTFEは摩耗やクリープ(変形)が生じやすくなります。不具合が発生する前にチェックして交換する必要があります。また、このような環境下で使用する際は、グラスファイバーやカーボンなどをPTFEに混ぜて摩耗強度を高めることもできます。これを「充填材入りPTFE」といいます。
バルカーは「充填材入りPTFE」のご注文に対応しています。工程としては、お客様から充填材とその混合量を指定いただくパターンと「こういう用途で使いたい」というご相談から、バルカーが設計内容を提案。試作品をお客様の実機で確認いただいた上で生産するというパターンがあります。
PTFEの切削加工を依頼するならQuick Value™
Quick Value™は、バルカーが運営する、WEB上でPTFEの切削加工品の見積りの取得から、発注・調達までできるサービスです。これまで人を介して行われてきた作業をDXで実現。圧倒的なスピードと利便性でものづくりの現場に貢献します。
老舗メーカーならではの確かな品質と対応力
バルカーはPTFEを中心に、約70年間ふっ素樹脂加工品を供給してきました。その実績に裏打ちされた基準をQuick Value™に参画しているサプライヤーにも求め、徹底した品質管理を行なっています。
さらに、さまざまな強みを持つサプライヤーがいることで多様な技術力を発揮。メーターサイズの加工品や溶接を含む複雑な形状のオーダーにも幅広く対応します。